とらや工房からのお知らせ

【できごと】山門の屋根葺き替えの記録

とらや工房の山門は、昭和初期に酒井氏の別荘の門
として建てられたと言われています。
その後、研修所などを経て、とらや工房を象徴する大切な
山門となりました。

今日は、7月12日から31日まで行われた、この山門の屋根の
葺き替えを、工程に従ってご紹介します。


茅を吹き替える前の山門をご覧ください。
周囲の木々や真上の紅葉からこぼれ、草や葉が生い茂る
野趣あふれる姿をしていますが、
よく見ると傷んだり腐ったりした箇所が出始めています。


この画像は、新しい茅を敷きはじめたときのものです。
木材の骨組みに竹で組んだ下地を作りその上に茅の束をのせ、
竹の串のようなもので茅を押さえながら紐で固定します。
この作業を何回も繰り返すことで、徐々に厚みのある屋根と
なっていきます。


作業が始まってから2週間経過し、屋根の頂点は仕上がりの一歩
手前まで作業が進んでいます。
全体に敷かれた茅も、前の画像と比べ屋根の茅の厚みが増したと
分かるのではないでしょうか。


こうして屋根の葺き替えは、約20日を掛けて完成しました。
職人さんにお話しを伺うと、軒先の断面を美しく仕上げるために
茅がずれないようにしっかりと固定し念入りに刈り上げることや、
丁寧に隙間なく葺くこととで雨風に強い屋根とするなどの、
こだわりを教えてくださいました。


職人さんこだわりの軒先をご覧ください。
断面だけでなく弧を描いた角の処理にも、職人さんのこだわりが
感じられます。


真下から見上げると、隙間なく葺かれたことが分かります。
組まれた竹とともに見とれてしまいそうです。

とらや工房にお越しの際には、新しい茅が葺かれた山門にもご注目ください。

(ど)

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